あなたの文章、書いた後そのまま世に出してない?書籍『文章を整える技術』を読んで得た学び

書評
元教師
元教師

こんにちは!データサイエンティストの青木和也(https://twitter.com/kaizen_oni)です!

今回の記事では、文章を後から整える技術「推敲」について述べた1冊『文章を整える技術』を読んで得た学びについてご紹介させていただきたいと思います!

会議資料や議事録、取引先とのメールなど、何かと文章を書く機会が多い現代人においては、「相手に伝わる文章を書けているか?」というのは、仕事の進み具合や評価に関わる重要な要因です。

一方で、近年ChatGPTなどのAIが台頭してきており、そのようなドキュメント作成作業は大幅に改善されつつありますが、それでも「伝わる文章」を相手に届けるためには、ChatGPTなどの出力を「推敲」する必要があります。

本書においては、「推敲」というみなさんにあまり馴染みがない、それでいて伝わる文章を届けるために重要なアイデアについて書かれております。

本記事では、本書の中からブログ主が学びとして得たものについてご紹介させていただきますので、参考にしていただけると幸いです!

本書の概要

本書では、書き終えた文章を読み返し、手を加える作業全般を「推敲」とし、遂行にあたって気をつけておきたいポイントをご紹介しています。

下良果林『文章を整える技術』(2018/ごきげんビジネス出版) P4

本書を執筆した著者は雑誌編集者、メルマガ執筆、ECサイト運営や大手企業へのインタビューなど、世に文章という形で情報を発信することに関わってこられたいわば文筆業のエキスパートとも言える方です。

そのような著者が本書の中で繰り返し「推敲」、つまり、すでに書いた文章を読み返して、より読者が読みやすく伝わりやすい状態に整えていくことについて語っている1冊になります。

本書冒頭では『スタンド・バイ・ミー』などの作品で知られる小説家スティーヴン・キングが鳴かず飛ばずだった10代の頃に編集者からもらった不採用通知に書かれていた以下のようなコメントを引用し、推敲の重要性について語り始めています。

「悪くはないが、冗長。もっと切りつめたほうがいい。公式–二次稿$=$一次稿マイナス10%。成功を祈っています」

下良果林『文章を整える技術』(2018/ごきげんビジネス出版) P14

推敲をすることの大きな意味として、読み手が読みやすいように「言葉を刈り込む」ことが重要であることを、上記の引用によって語っているのです。

他にも推敲の重要な側面はありますが、まずは本書の章立てを見ていただきましょう。

  • 第一章 なぜ「推敲」が必要なのか
  • 第二章 こんな「ノー推敲」文章は嫌われる!
  • 第三章 今すぐできる「推敲テク」5選
  • 第四章 慣れたら試してほしい「推敲テク」5選
  • 第五章 「そもそも推敲不要な文章」に近づけるテク3選
  • 第六章 推敲に困ったら

章立てをご覧いただいてわかるように、本書は「なぜ推敲が必要なのか」という根本的な部分から「具体的にどのように推敲を行えばいいのか」というHOWの部分まで丁寧に解説した1冊になります。

本書を読めば、推敲を行ったことがない方でも明日から実践できるようになるはずです。

本書から得た学び

私が本書から得た学びは以下の3つです。

  • 「本当に必要な情報か」と疑うこと
  • 読点は、強調したい言葉の手前に入れる
  • 短い言葉で端的に表現するためには語彙が大事

順を追って解説していきます。

「本当に必要な情報か」と疑うこと

以下のもくもく会の案内を見てみましょう

【もくもく会のお知らせ】

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?最近は少し涼しくなり、秋の気配を感じるようになりましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもありますので、どうぞご自愛ください。さて、そんな秋の夜長に集中して作業に取り組む機会を設けたいと思い、来週の月曜日にもくもく会を開催することとなりました!

日時は来週月曜日の18時から、場所は渋谷のオフィスです。集中して取り組みたいプロジェクトや作業をお持ちの方は、ぜひこの機会に参加してみませんか?一人で黙々と作業するのも良いですが、他の参加者と同じ空間でそれぞれの作業を進めることで、程よい緊張感が生まれ、集中力がアップすること間違いなしです。私自身もこのスタイルが大好きで、普段の仕事とは違う形で気持ちが引き締まる感覚があります。

参加費は無料ですので、気軽にご参加いただけます!ただし、ランチ代は実費がかかりますので、その点はご了承くださいね。渋谷には美味しいランチスポットも多いので、ちょっとしたランチタイムを楽しむのもありかもしれません。

なお、定員は先着10名とさせていただきます。スペースの都合もありますので、お早めにお申し込みいただけると嬉しいです。興味のある方は、ぜひこの機会にご参加ください。新しいアイデアが浮かんだり、普段できなかった作業が進むきっかけになるかもしれません!

お忙しい中ではありますが、皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

とても丁寧な案内メールですね。

しかし、「読みづらい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず。上記文章は必要な情報だけ抽出すると、以下のように短縮できます。

来週の月曜日、18時より渋谷オフィスにて、もくもく会を開催いたします。
参加費は無料ですが、ランチ代は実費でご負担いただきますのでご了承ください。
なお、先着10名で締め切らせていただきますので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください!

皆さまのご参加をお待ちしております!

2つの文章を見比べると最初の文には、

  • 時節の挨拶
  • もくもく会開催の目的
  • もくもく会のメリット
  • 渋谷のランチスポット事情

などの、マストではない付加的な情報が多数付与されていることが分かります。

一方で、時間がないときに元の文章を見ると、「何が書いてあるのかちゃんと読まなきゃいけないやつか、、、後回し!」となって、結局読まれない結果に終わってしまうかもしれません。

あなたの想定する読み手が、あなたの書いた文章を読むときに時間的余裕があるとは限らないので、「これだけは伝えたい!」ということがあるのであれば、「この情報は本当に必要かな?」と情報の必要性について懐疑的になるべきです。

必要最低限の情報であれば、読み手も苦労することなく読むことができるため、「もくもく会いいじゃん、申し込もう」とあなたがとってほしい行動をすぐに取ってくれるようになります。

読点は、強調したい言葉の手前に入れる

文章における読点は

  • 主語を明確にする
  • 並列する語句を区切る
  • 接続詞の後に入れる
  • 主語+述語のセットとして区切る
  • 誤解されるおそれのある言葉を適切に区切る

のように、読者に文章の意味を適切に理解してもらうために用いられます。

一方で、私が「ヘぇ〜」と思ったのは、「読点は、強調したい言葉の手前に入れる」という使い方です。

たしかに、プレゼンなどで一気に話されるよりも、ポイントとなる話の前では一呼吸おいてもらった方が、「ここから大事な話をしそうだな」と漫然と聞いていたところから意識を切り替えることができます。

このように、読者にとっての文章を読むときのリズムまで意識してあげると、スラスラと読みやすい文章になるよ、ということなのでしょう。

短い言葉で端的に表現するためには語彙が大事

次の文章を読んでみてください。

私は鈴木係長にメールを送るのをすっかり忘れておりましたが、齋藤君に直接会ってX社の件を言って伝えておりますので問題ないと思います。

続けて、次の文章を読んでみてください。

私は鈴木係長にメールを送るのを失念しておりましたが、齋藤君に口頭でX社の件を申し送り済みですので問題ないと思います。

「すっかり忘れて」が「失念して」に、「直接会って」が「口頭で」に、「言って伝えております」が「申し送り済みです」に変化しているのがお分かりいただけたかと思います。

上記の例文であれば大した短縮にはなっていませんが、それでも短い言葉で同じ意味を伝えることができているのがお分かりいただけるかと思います。

特に、「すっかり忘れて」という表現はビジネスの場面で使うには少しラフすぎる印象があります。

上司との関係性があるのであれば、少しラフなワードでも問題はないかと思いますが、上司がマナー厳しめ上司の場合には「なんだその言葉遣いは」と、本質的ではないところで注意を受けてしまう可能性すらあります。

そのような事態を避けるためにも、短い言葉で意思疎通をとるためにも、ある程度の「語彙」は必要になってくるものと思われます。

まとめ

今回の記事では、文章を後から整える技術「推敲」について述べた1冊『文章を整える技術』を読んで得た学びについてご紹介させていただきました!

「短い文章で端的に伝える」ことは、時間のない現代人にとっては必須のスキルとなってきています。

皆さんもぜひ本書を読んで、自分の文章を洗練させるスキルを身につけてみてください!

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