
こんにちは!データサイエンティストの青木和也(https://twitter.com/kaizen_oni)です!
今回の記事では、書籍『仮説思考』 を読んで得た学びを整理してみたいと思います。
現在、私はコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせましたが、日々の業務の中で「まず仮説を立てて考えてみよう」という言葉をよく聞くようになりました。
しかし、「仮説ってどうやって立てるんだろう?」というところでつまずいてしまっています。
そこで、仮説思考の解像度をグッと引き上げるために本書を手に取りました。
特に、私のような「作業を振られたときにそのまま手をつけてしまいがち」という方には、ぜひ読んでほしい一冊です。
本書の概要
本書は、 BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)で活躍した著者が、「仮説思考とは何か?」 を解説する書籍です。
本書を読むまでは、「質の高い仮説というのは、コンサルタントの中でもずば抜けて頭のいい人がサクサクと作ることができる」というイメージでした。
一方で、本書を読むことによって、「仮説というのは、コンサルタントの頭の筋トレの結果であり、一朝一夕でできるものではないが、鍛錬すれば筋のいい仮説の打率が上がるかもしれない」という意識に段々と変わっていきました。
本書の章立ては以下のようになっています。
- 序章 仮説思考とは何か
- 第1章 まず、仮説ありき
- 第2章 仮説を使う
- 第3章 仮説を立てる
- 第4章 仮説を検証する
- 第5章 仮説思考力を高める
- 終章 本書のまとめ
本書では、仮説思考を「より早く・より深く問題を理解するためのフレームワーク」として捉え、実践的な手法を解説しています。
[本書読了前] 私が本書から得たい学び
私が本書から得たい学びは以下の3つです
- 「鋭い仮説」を生み出すためにはどのような行動が必要であるのか
- 情報の多い少ないと「鋭い仮説」には関係があるのか
- 「仮説思考」というのは論理的思考なのか、創造的思考なのか、二元論で語れるような代物ではないのか
自身が「まずは仮説を立ててみてよ」と上司から言われる中で、筋のいい仮説を立てることがまだできない状況にあるため、そんな現状を打破するために本書を手に取りました。
私が本書から得た学び
私が本書から得た学びは以下の3つです。
- 仮説があると、議論の質とスピードが上がる
- 「鋭い仮説」を立てるには、表面的な分析ではなく「なぜ?」を突き詰めることが重要
- インタビューでは定性的な情報だけでなく、定量的な情報を取りに行くべき
順を追って解説していきます。
仮説があると、議論の質とスピードが上がる
会議や顧客とのヒアリングにおいて、仮説を持っているかどうかで、議論のスピードと質が大きく変わる ことを学びました。
仮説がない場合(過去の自分)
- 「まず情報を集めよう」としてしまい、膨大なデータに埋もれてしまう
- 何をヒアリングすべきかが定まらず、会話が広がりすぎてしまう
- 議論が抽象的になり、具体的な結論が出にくい
仮説がある場合(理想の状態)
- 「まずこの仮説が正しいかどうかを検証しよう」と、的確な情報収集ができる
- ヒアリングの方向性が明確になり、最短ルートで本質的な問題にたどり着ける
- 間違った仮説であっても、それが次の仮説のヒントになる
仮説を持たないままヒアリングをすると、情報収集の方向性が定まらず、あらゆる可能性を手探りすることになります。
一方で、仮説を立てておけば、「この仮説が正しいとしたら、何を検証すべきか?」と考えることができ、情報収集が効率的になります。

「鋭い仮説」を立てるには、表面的な分析ではなく「なぜ?」を突き詰めることが重要
仮説には「質」がある
本書を読む前は、仮説とは「とりあえずの当てずっぽう」だと思っていました。
しかし、本書では 「質の高い仮説」を立てることの重要性 が強調されていました。
質の低い仮説の例
- 売上が下がっているから、売上を上げる施策を考えよう
質の高い仮説の例
- 売上が下がっているのは、新規顧客の獲得単価が上昇しているからではないか?
鋭い仮説を立てるためには、表面的な問題ではなく、その背後にある本質的な課題を見抜くことが重要です。
そのために必要なのが、「なぜ?」を繰り返す 「Why思考」 です。
例えば、売上が下がっている原因を探る場合:
- なぜ売上が下がっているのか? → 購入数が減っているから
- なぜ購入数が減っているのか? → リピーターが減少しているから
- なぜリピーターが減少しているのか? → 商品ラインナップが変わり、ロイヤル顧客が離れているから
このように、「なぜ?」を深掘りすることで、表面的な仮説ではなく、本質的な課題を突き止めることができます。

インタビューでは定性的な情報だけでなく、定量的な情報を取りに行くべき
本書では、インタビューの際に 「抽象的な発言をそのまま受け取るのではなく、具体的な数値を引き出すこと」 の重要性が強調されています。
特にコンサルタントは、クライアントの意思決定を支援する立場にあります。
そのため、クライアントの発言を 「ふわっとした印象論」 で終わらせず、データとして示せるように整理することが求められます。
たとえば、クライアントが 「新商品を出したら売上が伸びた」 と言った場合、それをそのまま記録するだけでは意味がありません。
より正確な情報を得るためには、次のような質問を投げかけるべきです。
- 「具体的にどれくらい売上が伸びましたか?」(数値で表現してもらう)
- 「前年比で何%増加しましたか?」(比較の視点を加える)
定量的な情報を引き出すことで、クライアント自身も「どの程度の変化があったのか?」をより明確に理解することができます。
実体験:研修の振り返りにおける課題
私自身も、研修の評価を行う際に、定量的な指標を使って測ることができていなかった と感じる場面がありました。
振り返りの際に 「一定の効果が得られましたよね」 という曖昧な表現になってしまうことがあり、具体的に何がどれだけ改善されたのかが不明確になっていました。
もし、次のような数値データを取れていれば、研修の効果をより正確に測ることができたはずです。
- 業務のスピードが平均○%向上した
- 工数削減により、月○時間の余裕が生まれた
今後は、研修の評価においても 「数値で測れるものはできる限り数値化する」 ことを意識し、成果をより明確に示せるようにしていきたいと考えています。

この本を読んで、自分が実践したいこと
仮説思考を鍛えるために、以下を意識して実践していきます。
「なぜ?」を常に考える
- 表面的な問題ではなく、その裏にある本質的な要因を探る。
- 上司の思考を観察し、なぜそう考えたのかを考える。
会議の前に必ず自分の仮説を用意する
- 事前に仮説を立ててから会議に臨むことで、議論を深める。
- 上司や顧客に仮説をぶつけ、フィードバックをもらう。
まとめ: 仮説思考を持つことで、仕事の質が劇的に向上する
今回の記事では、書籍『仮説思考』 を読んで得た学びを整理してお伝えしてきました。
仮説思考を持つことで、仕事のスピードと精度が大きく変わります。
ただ作業をこなすのではなく、「なぜこの仕事をするのか?」 を考えることで、より本質的な成果を出せるようになります。
特に、「指示された仕事をそのままこなすのではなく、意味を考えて取り組みたい」と思う人にとって、本書は大きな学びを得られる一冊になるでしょう。
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