社内プレゼンを勝ち切る!書籍「社内プレゼンの資料作成術」から得られる学び

コンサル
元教師
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こんにちは!データサイエンティストの青木和也(https://twitter.com/kaizen_oni)です!

今回の記事では、ソフトバンクで孫正義からプレゼンの腕を認められた男・前田鎌利さんの書かれた「社内プレゼンの資料作成術」について、本書の概要と本書を読んで私が得た学びについてご紹介させていただきたいと思います。

プレゼンにおける資料作成術に関する書籍は数多読んできたブログ主ですが、本書は「いかにして社内プレゼンの確度を高めるか」という視点で書かれており、他の資料作成術とはまた違った観点からの学びが得られる一冊となっております。

ぜひ本レビューを参考にしていただいて、本書が他の資料作成術と異なる点や本書から学び取りたい内容の見当をつけていただけると幸いです!

時間がない方のための3行要約
  • プレゼンの本編は5~9ページに収めると大体3~5分に発表を収められる
  • グラフは左に、主張は右におくとロジックが理解しやすい
  • Appendixが勝敗を分ける

本書の概要

本書は、ソフトバンクアカデミアの第1期生としてプレゼンスキルを磨きに磨き上げ、事業プレゼンで1位を獲得、その後孫正義社長のプレゼン資料を作成する機会も多々あった、まさにプレゼンにおける孫正義社長の右腕とも言える著者が、プレゼンの確度・意思決定のスピードを上げることを主眼に書いた1冊となっています。

本書は「提案というストーリーを提供する」ことを想定した資料作成術の本となっており、「Google流資料作成術」などと主張が一致している部分は多いものの、「いかに意思決定者に提案のロジックを短い時間で伝えるか」「いかに提案の確度を高めるか」に主眼が置かれている1冊となっています。

本書の章立ては以下のとおりです。

  1. プレゼン資料は「シンプル&ロジカル」でなければならない
  2. プレゼン資料を「読ませて」はならない
  3. グラフは「一瞬」で理解できるように加工する
  4. 決裁者の理解を助ける「ビジュアル」だけ使用する
  5. 100%の「説得力」をもつ資料に磨き上げる
  6. プレゼン本番は資料に沿って話すだけ

本書から得た学び

私が本書から得た主な学びは以下の3つです。

  1. プレゼンの本編は5~9ページに収める
  2. グラフは左に、主張は右に
  3. Appendixが勝敗を分ける

順を追って解説していきたいと思います。

プレゼンの本編は5~9ページに収める

本書では主なマジックナンバーが3つ登場します。

  • 3分
  • 5~9枚
  • 2つの「4」

上記の意味合いをそれぞれ解説すると

  • プレゼンは3分以内で終わらせる
  • スライドは5~9枚にまとめる
  • 社内プレゼンは4つのパーツで構成させる
  • 社内プレゼンに必要なロジックも4つのストーリーで構成させる

上記はいずれも「意思決定のための提案をいかに簡潔に伝えるか」という点に主眼が置かれています。

  • 提案の趣旨は3分で伝え、その後の議論のための時間を確保する
  • 提案の趣旨をはっきりさせるために、情報を5~9スライド分に絞る
  • 表紙に提案概要を、ブリッジスライドに提案の流れを、本編スライドに提案の趣旨を、Appendixに提案の詳細を収める
  • 提案の流れを「水戸黄門」のように型化する

そして、簡潔に伝える方法のうち、私が学びになると思った項目が「本編スライドを5~9枚構成にする」という点です。

プレゼンの良し悪しを考える際に、スライド枚数が少なすぎても情報が不足してしまう、スライド枚数が多すぎると何を伝えたいのかわからなくなってしまうということはよくあると思います。

そのようなスライド枚数に関する1つの解が「5~9枚に収める」だと私は思っています。

スライド枚数を5~9枚に収めようと思うと、以下のようなことを考えなければなりません。

  • テーマが複数あると収まらないので1つのテーマに絞ろう
  • 根拠となるファクトは複数あるが収まらないので、最も重要なファクトだけ残して、あとはAppendixに入れよう
  • データを盛り込みすぎると説明が長くなり収まらないので、見せるデータは重要なものに絞ろう

「スライド枚数」という制約を課すことによって、重要なメッセージやファクトのみを残したスマートな資料に洗練されていく、というのがスライド枚数制限の良いところだと私は考えます。

グラフは左に、主張は右に

私は今まで、以下のような「キーメッセージ」「グラフ」「サブメッセージ」のような構成になった資料を作成して、顧客に対する提案を行なっていました。

このようなシンプルなグラフであれば、上記スライドでも十分に訴求することは可能かと思われます。

しかしながら、本書ではより人間の認識しやすい形でファクトと主張を提供すべきだと書かれています。

その形式が「グラフを左に、主張を右に」という表現方法なのです。

改善後のスライドを見ると、これでもかというくらいシンプルで主張が伝わってくることがわかります。

なお、グラフを左に、主張を右に配置するのは以下のような脳の特性を利用しています。

  • スライド左側の情報は左目からビジュアル処理が得意な右脳に届く
  • スライド右側の情報は右目から文字情報の把握が得意な左脳に届く

また、改善後のスライドには本書で紹介されている以下のようなTipsを盛り込んでいます。

  • 不要な罫線や軸は消す
  • プラスイメージの場合は青を、マイナスイメージの場合は赤を使用する
  • 数字や主張のフォントはやりすぎぐらい大きくする
  • ロジックを示すときは矢印ではなく三角を用いる
  • スライドを読ませないように主張は短く

Appendixが勝敗を分ける

本書で提案している手法では、本編スライドにおいては極力情報を絞り、意思決定者に伝える必要のある情報のみに絞って提案を行います。

ですが、新しい施策の実行可否を考える際には、さまざまなリスク要因があったり、考慮すべき前提条件があったりと、とても本編スライドに記載されている最大でも9個のファクトでは、意思決定者がさまざまな角度からのツッコミに耐えられるとは思えません。

そのために、重視すべき点がAppendix(補足資料)なのです。

Appendixには以下のようなものが含まれます。

  • 本編スライドの主張をわかりやすくするために削ったグラフの元ソース
  • 主張を補強する他の調査結果・リサーチ結果
  • 本編スライドとは異なる切り口・軸のグラフ
  • 提案施策の効果予測に関する試算とその根拠

そして本編スライドでは、提案の趣旨をわかりやすくするためにポイントを絞って伝えている分、「この提案者は本当にこの提案内容について詰められているのか」を表現するのはAppendixしかありません。

つまり、本編スライドを本書の作法に従って作るのはかなりイージーですが、「意思決定者がどのような角度からツッコミを入れてくるか」について考えた上で充実させなくてはならないAppendixが最後の難関となるのです。

もちろん本書で主張されているように、本編スライドの要旨がわかりやすくなければ、詳細を詰める前に突き返されてAppendixどうのこうのですらないのは明らかです。

そのため、「主メッセージを根拠とともに伝える本編スライド」という前衛と「いかなる質問にも耐えることができるAppendix」という後衛の両方が揃ってこと「社内プレゼンで勝てる資料」と言えるのです。

まとめ

今回の記事では、ソフトバンクで孫正義からプレゼンの腕を認められた男・前田鎌利さんの書かれた「社内プレゼンの資料作成術」について、本書の概要と本書を読んで私が得た学びについてご紹介させていただきたきました。

本書に書かれているTipsは具体的ですぐに実践しやすい、かつスライド作成の手法として導入しやすいものとなっています。

また、本記事で紹介した以外にも

  • アニメーションが効果的に機能するケースは?
  • 意思決定者のタイプに応じてどのようにスライドを調整すべきか?
  • プレゼン資料作成に前に行うべきこととは?

などの有用なTipsがまだまだ盛りだくさんなので、気になった方はぜひ本書を手に取って読んでみてください!

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