こんにちは!データサイエンティストの青木和也(https://twitter.com/kaizen_oni)です!
今回の記事では相手に分かりやすく構造化して伝えるための基礎中の基礎、箇条書きについて書かれた『超・箇条書き 「10倍速く、魅力的に」伝える技術』を読んで私が得た学びについて紹介していきたいと思います!
私は論理的思考力に関する書籍を数多く読んできましたが、それでもなお本書を読んで「なるほど!」という学びを多く得ることができました。
「メールで説明するの苦手なんだよな〜」「報告とかってついつい話が長くなっちゃうんだよな〜」という方には必見の1冊になっておりますので、ぜひ本記事から本書のエッセンスを感じ取っていただければと思います!
本書の概要
世界の最前線では、「短く、魅力的に伝える」ツールとして箇条書きが選ばれ、そして使われている。
プレゼンに限らない。
企画書・報告書づくり、メール作成、議事メモ、会議のファシリテーションなど、「短く、魅力的に伝える」箇条書きは、あらゆるビジネスシーンで使われている。そこには、共通の技術がある。
わずか数行の箇条書きであっても、繊細で精巧な工夫が必要なのだ。短く、魅力的に伝える箇条書き。
そして人を動かす箇条書き。それらを『超・箇条書き』と呼ぶこととする。
本書はそのエッセンスを伝えることが目的だ。
杉野幹人『超・箇条書き 「10倍書く、魅力的に」伝える技術』(ダイヤモンド社/2016)P4
本書の著者は、外資系コンサルティングファームで活躍されている杉野幹人さん。
箇条書きというありふれた情報共有の方法をコンサル流に発展させたの「超・箇条書き」について、その魅力や方法論について書かれた1冊になります。
例えば、以下の「箇条書き」の買い物リストを見てみましょう。
- ジャガイモ
- 牛乳
- サーモン
- マグロ
- にんじん
- ビール
ただし、上の箇条書きは「超・箇条書き」ではありません。
「超・箇条書き」の条件の1つ、「構造化」を行うと、買い物リストは以下のようになります。
- 野菜
- ジャガイモ
- にんじん
- 魚
- サーモン
- マグロ
- 飲料
- 牛乳
- ビール
構造化されていると、スーパーのコーナーを順番に回っていく時に、買い物がしやすいですね。
このように、通常の箇条書きに
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
を施して、より伝わりやすくしたものが「超・箇条書き」になります。
本書の章立ては以下のようになっています。
- なぜ箇条書きが、最強のビジネススキルなのか?
- 超・箇条書きの技術① 構造化
- 超・箇条書きの技術② 物語化
- 超・箇条書きの技術③ メッセージ化
- 超・箇条書きをもっと使いこなす
本書を読み終わった暁には、今までの自分の箇条書きのどこに問題があり、どのように改善を行えばいいのかが分かるようになります。
本書から得た学び
私が本書から得た学びは以下の3つです。
- MECEを崩すと、相手にメッセージが伝わりやすくなる
- 固有名詞を入れて当事者意識マシマシにする
- 箇条書きの要旨を最初に宣言する
順を追って解説していきます。
MECEを崩すと、相手にメッセージが伝わりやすくなる
論理的思考に関する書籍を読んでいると、多くの書籍でMECE、つまり漏れなくダブりなくという言葉が出現します。
実際、施策を行うにあたっての考慮事項を考える際には、思考の抜け漏れがあると後々「この点については考えた?」などと手戻りになる可能性があるので、MECEに考えることは非常に重要です。
一方で、今回の『超・箇条書き』は伝える技術についての本です。
伝える時に全てを網羅している必要はあるのでしょうか?
答えはNOです。
MECEに分類したうちに「伝える必要がある要素」についてのみ伝えればいいのです。
MECE崩しの肝は「その情報は相手にとって重要か?」です。
固有名詞を入れて当事者意識マシマシにする
特定の人に面と向かってプレゼンするときは、その人たちがイメージしやすい固有名詞を主語として入れる余地はないか考えるとよい。
最も引き込まれる物語とは、自分が登場するものだ。
杉野幹人『超・箇条書き 「10倍書く、魅力的に」伝える技術』(ダイヤモンド社/2016)P120
目の前位にいる人にそう言われてドキッとしない人はいない。
皆さんは東京ディズニーランドのスターツアーズというアトラクションで、アトラクション序盤に自分の姿がアトラクションの画面に映ったことはないでしょうか?
映ったことはなくとも、自分が映るのではないかとそわそわしたことはないでしょうか?
誰しも突然自分にスポットライトを当てられるとドキッとするものです。
プレゼンも同様です。
例えば外部のコンサルタントが自社の経営改革についての話をするときに、一般論的なことを語られた時には、「まぁ、論理的に考えるとそうかもね〜」ぐらいの印象になるでしょう。
一方で、「あなたのことを話してるんですよ、あなたの!」と言わんばかりに、部門名指しで自社の改善すべき課題を具体的に並べてきたら、当該部門長はドキッとするのではないでしょうか。
このように、プレゼンをさらっと聞き流されないようにするためには、固有名詞を使って当事者意識を引き出すことが重要なのです。
箇条書きの要旨を最初に宣言する
平文でダラダラと書かれた文章を箇条書きにするだけでも、いくらか伝えたいメッセージは伝わりやすくなります。
例えば、以下のような例文を考えてみましょう。
お疲れ様です。
今週の業務内容について報告いたします。
週初めには経理部門に業務自動化プログラムについてのヒアリングを行いました。
経理部門の要件はあらかた吸い上げたので、問題ないです。
週半ばには営業部門とBIツールの導入についての話し合いを行いました。
BIツールについては我々Digital部門で開発して欲しいとのことでしたが、引き受けてもいいでしょうか?
週後半にはマーケティング部門にECサイトの分析結果の報告を行いました。
追加でGoogle Analyticsについても分析をして欲しいそうですが、こちら引き受けてもよろしいでしょうか?
週末には人事部門に納品した業務効率化ツールについて相談を受けました。
簡易的なエラーであったため、問題はありません。
以上、報告を終了します。
どうでしょうか?
ダラダラと文章が続いていて、読むのをやめてしまった人も多いのではないでしょうか
では、上記文章を箇条書きにしてみましょう。
お疲れ様です。
今週の業務内容について報告いたします。
- 週初めに経理部門から業務自動化プログラムについてのヒアリングを行い、順調に進んでいます
- 週半ばに営業部門とBIツール導入についての話し合いをしましたが、BIツールはDigital部門が開発するということで引き受けてよろしいでしょうか?
- 週後半にマーケティング部門にECサイトの分析結果を報告しましたが、追加で受けたGoogle Analytics分析の依頼については引き受けてもいいでしょうか?
- 週末に人事部門に納品した業務自動化ツールについて相談を受けましたが、概ね問題はありません。
箇条書きにまとめるために、文の一部分をカットしたため、少しすっきりとしましたね。
ですが、これはまだ「超・箇条書き」ではありません。
「超・箇条書き」ではガバニングという、これから何について何個話すのかの宣言を行います。
また、本書ではガバニングと合わせて、箇条書きを内容のまとまりを考慮してセットにし、タイトルをつけて何についての箇条書きかわかりやすくします。
ガバニングとまとまりの宣言を行うと最初の例文は以下のようになります。
お疲れ様です。
今週の業務内容について、2点の報告と2点の相談がございます。
【報告】
- 経理部門に対する業務自動化プログラムのヒアリングは順調に進んでいます
- 人事部から納品済みの業務自動化プログラムについて相談を受けましたが、無事解決しました
【相談】
- 営業部門とのBIツールについての話し合いの中で、BIツール開発をDigitalで行って欲しいと依頼されましたが、引き受けてもよろしいでしょうか?
- マーケティング部門へのECサイトの分析結果の発表の際に、Google Analyticsについての追加分析依頼を受けてましたが、引き受けてもよろしいでしょうか?
上記ご確認のほどよろしくお願いいたします。
「2点の報告と2点の相談があります」の部分がガバニングで、【報告】【相談】の部分がまとまりに対しての宣言になります。
上司の立場に立った時に、「超・箇条書き」で書かれていると
「報告と相談があるのね」
「報告は問題なさそうね」
「相談はその2つね、どうしようかな、、、」
と業務報告に対して思考を巡らせやすいのがお分かりいただけますでしょうか。
このように、超・箇条書きは部下から上司、上司から部下、自社から取引先などあらゆる場面での伝達において、相手に伝えたいことをスマートに伝える方法として優れているのです。
まとめ
今回の記事では相手に分かりやすく構造化して伝えるための基礎中の基礎、箇条書きについて書かれた『超・箇条書き 「10倍速く、魅力的に」伝える技術』を読んで私が得た学びについて紹介していきました!
メールやチャットなどの文字ベースで伝えることが多くなった現代において、超・箇条書きは非常に重宝されるスキルです。
皆さんもぜひ、本書を読んで「超・箇条書き」というソフトスキルを身につけましょう!
コメント