
こんにちは!データサイエンティストの青木和也(https://twitter.com/kaizen_oni)です!
今回の記事では、書籍 『THE RHETORIC 人生の武器としての伝える技術』 を読んで得た学びを3つ厳選してご紹介いたします!
プレゼン、飲みの席、結婚式のスピーチなど、人生において自分の意見を伝える機会というのは度々訪れます。
「伝える」という行為 は、聞いた人に対して「感情の変化を起こしたい」「行動の変化を起こしたい」など、何らかの目的を持って行われるものです。
本書では、「伝える」という行為を実行するにあたって、何を意識すれば良いのかを網羅的に示してくれている良書になります。
「伝える」ことの技術について知りたい方はぜひ本記事・本書に目を通していただけると幸いです!
本書の概要
本書では、「人を説得し、共感を得る技術」 を体系的に学ぶことができます。
そのために、「攻め」「守り」「応用」 という3つの側面から伝える技術を整理しています。
本書の章立ては以下の通りです。
- 「攻め」の伝える技術(相手の心をつかむ)
- 「守り」の伝える技術(相手の議論から身を守る)
- 「応用」の伝える技術(相手を自然に動かす)
- 大勢の人の心をつかむ技術(スピーチや文章の伝え方)
- 伝える技術 実践編(実際に使えるフレームワークやテクニック)
本書の特徴は、単なる理論だけでなく 「具体的な話し方・考え方」 が豊富に紹介されている点です。
[本書読了前] 本書から得たい学び
私が本書から得たい学びは以下の3つです
- 「レトリック」とは具体的にどのようなことを意味するのか
- 人を突き動かすためにプレゼンで意識すべきことは何か
- レトリックを学んだ上で弊社の役員・マネージャーやインターネット芸人である堀元さんを見ると、その印象はどのように変わるのか
私は、企業の社員の方々に生成AIやデータ分析、DXの重要性を伝える研修講師、という立場にあります。
研修講師として、単に「分かりやすかった!」で終わるのではなく、「今日学んだことを実務に活かしてみよう」と行動を変えてもらうことが重要 だと考えています。
そこで、本書を通じて、「人の行動を変える伝え方」 について学びたいと考え、本書を読み進めました。
本書から得た学び
私が本書から得た学びは以下の3つです。
- 怒りを感じている人にはシンプルに語る
- 論理の誤りを見抜く — 多問の虚偽
- 「何かご要望はありますか?」と聞くことで、組織に貢献する
順を追って解説していきます。
怒りを感じている人にはシンプルに語る

本書では、「怒りを感じている相手には、シンプルな言葉で話すべき」 だと述べられています。
なぜなら、感情が高ぶっているときにシステム2(論理的思考)を使うと、相手はよりこじれてしまう からです。
感情的になっている人に対して難解な話をすると、
相手は防御的になり、話がスムーズに進まなくなってしまいます。
そこで重要なのが、「相手にシステム1(直感的思考)を使ってもらうこと」 です。
そのためには、次のポイントを意識する必要があります。
1. 短く、簡潔な言葉を使う
→ 長い説明ではなく、「シンプルなフレーズ」で伝える
2. 難しい専門用語を避ける
→ 相手がすぐに理解できる言葉を選ぶ
このように、怒っている相手とスムーズにコミュニケーションを取るためには、
難しい理屈ではなく、直感的に理解しやすい言葉を選ぶことが重要 だと本書では述べられています。
論理の誤りを見抜く — 多問の虚偽

本書では、「論理の誤りを見抜く技術」として 「多問の虚偽」 という概念を紹介しています。
これは、「一つの質問の中に、二つの質問が隠されている」 ことで、回答者を意図的に罠にはめる議論テクニックです。
たとえば、「あなたはいつ奥さんを殴るのをやめましたか?」 という質問をされたとします。
この質問には、以下の2つの前提が隠されています。
- あなたは過去に奥さんを殴っていた
- その行為をやめた時期がある
このような質問は、どのように答えても、回答者が「過去に暴力を振るっていた」 という印象を聞いている聴衆に対して植え付ける効果を持っています。
このような印象操作に対抗するためには、以下のようなポイントを押さえる必要があります。
1. 質問を分解する
→ 「この質問には、どんな前提が隠されているのか?」を考える
2. 前提を否定する
→ 「まず、私は奥さんを殴ったことはありません」と明確にする
3. 相手の意図を確認する
→ 「この質問の意図を教えていただけますか?」と切り返す
議論の際には、相手の話の中に存在している論点を整理して、1つずつ丁寧に打ち返すように心がけましょう。
「何かご要望はありますか?」と聞くことで、組織に貢献する

本書では、上司やクライアントとの関係構築には「公平無私を示すこと」が重要だと述べられています。
公平無私とは、私利私欲で動いておらず、相手に対して思いやりを持っているように見える状態を指します。
公平無私である、と思われるためには、「何かご要望はありますか?」 というフレーズが効果的です。
この問いかけは、単に上司を気遣うためのものではなく、「顧客にとって価値のあることを提供するための最適な手段」 として機能します。
コンサルの仕事をする上で、顧客にとって何が価値のあることなのかをより正確に把握しているのは、基本的に上司のほう です。
なぜなら、コンサルにおける上司は顧客に対する解像度は部下よりも圧倒的に高く、顧客がどのようなアウトプットが求めているのかを把握しているからです。
上司と一緒にプレジェクトを進めている、または組織内で上司と一緒に活動をしている時には、「何かご要望はありますか?」と上司に尋ねることで、自分が今、最も価値を生み出せる仕事は何か? を適切に把握できるようになります。
1. 上司が求める組織の優先事項を把握できる
→ 「自分がやりたいこと」ではなく、「組織が求めていること」に沿って動けるようになる
2. 顧客にとっての成果に直結する仕事に取り組める
→ 自分の業務が、より顧客の価値に貢献できるものになる
3. 上司とのコミュニケーションが円滑になる
→ 上司が部下をどう活用すべきかを考えるきっかけにもなる
この問いかけを習慣化することで、顧客・組織のニーズと自分の行動がより一致し、成果を出しやすくなる のです。
まとめ
今回の記事では、書籍 『THE RHETORIC 人生の武器としての伝える技術』 を読んで得た学びを3つ厳選してご紹介してきました!
- 怒っている相手には、シンプルな言葉で対応する
- 質問の中にある「隠れた前提」を見抜く
- 上司やクライアントに対し、「何かご要望はありますか?」と尋ねる習慣をつける
本書を通じて、単なる話し方ではなく、「相手を動かすための戦略的な伝え方」 の重要性を学ぶことができました。
皆さんもぜひ本書を読んで、戦略的に「伝わる」話し方を身につけてみてください!
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